もう何年も前になる話なんですが…


小学生時代体の弱かった僕は
3年生の間だけ医者から「あまり激しい運動はするな」と言われ、ドクターストップが掛かってたんです。
だから走ったりするような運動は全部ダメで、
休憩時間はいつも絵を描いたり本を読んだりして過ごしてたんですね。


それから四年生になって
体も多少は強くなった僕は医者からのドクターストップも無くなり、スポーツしてもいいよっていう許可が降りてたんです。

久々に体育の授業へ出ることになった僕は
年に1回あるスポーツテストで
いきなり10キロを走ることを知り
内心「(身体に)アカンかなぁ…」なんて思ったりもしたんですが、なんやかんやで自分も走ることに。

予想通り走って見事にぶっ倒れました。笑


そしてその倒れてる間(3分程だったそうです)
自分の意識?だけが自分の体からすごい勢いで離れたんです。

俗に言う幽体離脱みたいな。

まるで地面に投げたスーパーボールが
すごい勢いで上へ跳ね返るように、
自分の意識が一気に自分の体から離れて真っ直ぐ空へ向かっていったんです。

一瞬で大空へ飛んでった自分が見たのは
白と黒の2つの雲でした。

なんとなく黒い雲を眺めてると、
祖父やひぃおばあちゃん、親戚の人達など
既に亡くなってる人達が僕を見て手招きをしてるんです。

それと反対に白い雲には
僕が産まれてすぐに亡くなった
僕のお父さんがいて「お前がここに来るんはまだ早い!!元に戻れ!!」と言ってすごい剣幕と勢いで僕を追い払おうとしてるんですよ。

それを聞いた黒い雲の方の人達は
「なんでそんないらんこと言うんや!!」「邪魔すんな!!」っと言っていて、それに対し白い雲の方の父親は「やかましい!!息子まで引きずりこもうとすんな!!」と、すごい喧嘩してる感じでした。

しばらく経ってお父さんが
「お前にはまだ早い!今やったら戻れる!」と言って僕を手のひらで3回叩きつけるように下の方へ落とそうとしてきたんです。

そのままおされた僕は下へ落ちていき、
元の自分の体へと戻っていきました。

目を覚ますと先生やら生徒やら
僕の周りでゾロゾロ居てビックリしました。

後はそのまま救急車に運ばれて病院へ向かいましたが…


後日談なんですが


そのあと先生に話を聞くと、
僕が倒れたあと保健担当の先生が
僕の顔を3回ビンタしたらしいです。

そのビンタで僕が目を覚ましたとか…

そして日頃ポケットに入れてた
お守りがまっぷたつに割れてました。

あの時お父さんが僕を守ってくれたのかな
ってお母さんと一緒に言いながら笑ったのを覚えてます。

そして黒い雲の方…あれは地獄に落ちた人だったのか、成仏が出来ていないのか…

子供ながらに恐ろしいなぁって思いました。

とくに怖い話でもないけど
僕が一度だけ体験した不思議なお話でした。

最後まで読んで頂きありがとうございました。